不安・パニック・社会不安

不安とは

不安は、誰にでもある当たり前の感情で、なくてはならないものです。
不安0の人は、赤信号でも大丈夫と渡って事故に合いますし、高い所から「大丈夫」とジャンプして骨折します。
不安100の人は、青信号でも左右を確認し続けて渡れず、石橋を叩いても叩いても渡れません。

つまりは「量」の問題で、多すぎても少なすぎても不都合が生じます。

 

不安症

不安症は、この20年間重視され、生活を障害することが分かってきた症候群です。古くは不安神軽症と呼ばれました。
不安症の多くの方は、不安に感じる対象が限定され、ある事は極端に心配するが別の事はあまり気にならない、と言った
アンバランスさが目立ちます。2020年-2022年には新型コロナウイルス感染不安が強い方が多数いらっしゃいましたが、
一方で生卵や生牡蠣、非加熱の肉には無頓着でした。

不安症は、全般性不安障害、恐怖症、社交不安障害、特定の恐怖症(人以外)、広場恐怖症、パニック障害等に分類され、それぞれ治療法も少しずつ異なっています。
放っておくとゆっくりと悪化し、活動が制限され、生活の質が悪化します。

とりわけ社交不安障害は思春期に発症し、家族以外と接することへの不安から不登校、出勤拒否に繋がり、人生を障害します。
また、二次的にうつ病やパニック発作を起こしやすくなります。

不安症全般については、心理療法と薬の組み合わせでかなり立ち向かえるため、ぜひご相談ください。

→リンク 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センターによる説明。

 

症状

強すぎる不安、焦り、緊張感、リラックスできない、寝つけない、途中で何度も目が覚める、思考がストップする、
ミスが増える、イライラする、怒りっぽい、など多くの症状が現れます。
また、自律神経症状をよく起こし、肩こり、緊張型の頭痛、めまい、立ち眩み、耳鳴り、胸のざわざわ・そわそわ・動悸、
飲み込みづらい、声が出しにくい、息苦しさ、胃酸の逆流、胃のむかむか、胃の痛み、便秘や下痢、頻尿など様々な
体の症状を訴えます。
不眠はほとんど必発です。

 

不安症は自力で治せる?不安症の症状・薬との付き合い方

不安症を自力で治すにはかなりの困難・苦痛・及び時間が必要ですが、不可能ではありません。
ただし専門医による治療を受け、正しい生活リズム・適度な運動・過度のストレスを避ける・認知行動療法などを行い、そしてサポートする薬を飲むことで、
健康な人と変わらない生活を送る事も可能です。就労もできます。残業は少々なら可能です。
 

治療法

不安症に効果のある治療法はたくさんあります。
生活習慣治療や認知行動療法に効果はありますが、中でもお薬の即効性は目を見張るものです。
長期的には症状を客観的に見て、対処法を学んでいく治療がよく、認知行動療法を行うと良いでしょう。

お困りの方は是非ご相談ください。

 

パニック発作

パニック発作とは思いがけず突然起こる、動悸、呼吸のつらさ、強い不安を伴う発作で、
「死んでしまうかもしれないと思った」とおっしゃる患者さんも多くいらっしゃいます。
発作とは「症状が突然起きて、間も無くおさまる」もので、長続きはしません。長くても30分以内で、
後遺症を残したり生命の危機はありません。
しかし、パニックでは、大変な苦痛を感じ、慌てふためくため、皆様が早々に受診されます。
飲み薬と精神療法で、コントロールできる事が多いです。パニック発作には不安障害やうつ病など様々な原因があり、落ち着けば原因を見つけ治療に移ります。
数年も経てば治ってしまわれる方もいらっしゃいます。お困りの方はご相談ください。

→詳しくは右記リンク 精神神経学会 塩入俊樹先生に「パニック障害/パニック症」を訊く

 

パニック障害

なかでもとりわけ原因なく、突如パニック発作を起こすものがパニック障害です。
高い所や、電車の中など不安な原因があって起こるパニック発作なら避けようもあるのですが、理由なく起こるパニック発作は本当に恐ろしく、
患者さんは次にパニック発作が起こったらどうしよう、と戦々恐々とします。無理もありません。

・予期不安

この不安の事を予期不安と言い、予期不安がまたパニック発作を引き起こす悪循環となりますので、そうなったらまずお薬の治療をすべきです。
重度なら入院することもあります。

お困りの方は是非ご相談ください。

 

社交不安障害SAD

10代半ばに発症し、人が苦手で、対人関係がうまくいきません。社会不安症とも言います。かつて、赤面恐怖や、対人恐怖、あがり症などと言われました。

相手にどう思われているか気になってしようがない、人前で話すのが苦手、雑談したり、会食、人に見られることが苦手です。
我慢して社交すると、強い身体症状が現れます。
どもる・赤面・手汗・肩こり・頭痛・胸苦しさ・動悸・息苦しさ・胃が痛い・下痢など様々な自律神経症状を起こすため、
そういった場面を避けるようになり、人付き合いが減ります。結果として引きこもったり、人付き合いに疲れうつ状態になって受診される事もあります。
他の不安障害同様に、飲み薬と精神療法で、コントロールできる事が多いです。
一旦落ち着いた後に、自分なりの原因と対処方法を探っていきましょう。

お困りの方は是非ご相談ください。

→詳しくは右記リンク 精神神経学会 永田利彦先生に「社交不安症(社交不安障害)」を訊く