治療・復職サポートについて
仕事等のストレスでメンタル不調になった場合、まずは薬物療法で症状を抑えます。
並行して自身の考え方や行動の癖に気づき、ゆっくりと確実に、それを修正していくことが重要です。
一人ひとりに合った治療法
必要な枠組みの中で オーダーメイド医療を行い、皆さまの「治りたい力」をお手伝いします。
自助努力とは、病気を治すために自分でできる工夫や考え方です。
自分に合った生き方を見つけるための手助けとなります。
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良い生活習慣で過ごす
患者様の多くは、睡眠や食事の生活習慣が乱れています。
病気を治すため生活習慣の改善はとても重要です。
朝起きて夜寝る、食べ過ぎない、といったことから、「何事もやり過ぎない」養生のコツを学びましょう。
「及ばざるは過ぎたるに勝れり(徳川家康)」です。 -
良いストレスを保つ
多すぎるストレスではまいってしまい、少なすぎるストレスでは生きていく意義が感じられません。
人は「誰かに必要とされる適度なストレス」に喜びを感じるようです。 -
回復支援プログラム(リワークやデイケア)へしっかり参加する
良い生活習慣を身に付けるためには、トレーニングが必要です。しっかり参加して生活リズムを作りましょう。
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症状と対処法についてよく知る
こころの治療には100年以上積み上げられた経験知があります。わかりやすく、症状や対処法の説明をします。
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直感と論理を併用して洞察する
医療者と共に、直感にも論理にも良し悪しがある事を知り、よいとこどりをしましょう。
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心因はおおむねありふれたこと
お金の心配・健康の不安・家族や対人関係トラブル・孤独・気苦労・気疲れ・気配りのしすぎ・心配性・とらわれ・こだわりなどです。症状が落ち着き、変えられる原因があれば解決しましょう。
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クールな頭と、温かい心(アルフレッド=マーシャル)、福沢諭吉の「智徳」
冷静な判断と、温かい気持ちを忘れないように心がけています。
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必要な紹介
当院でできないこと、わからないことは専門家へご紹介します。紹介状をお書きしますので、お申し付けください。
一般的な休職期間と、その間に行う事
休職期間は、数日~2年間程度と幅広いですが、その中央値は概ね4~5カ月、最頻値は3か月と考えられます。
ここでは3か月間の休職期間について概要を説明いたします。
・休職直後~2週間: まずは初回投薬の効果を確認するとともに、断酒をはじめ、睡眠・食事などの生活習慣の立て直しに専念します。
・2~4週間 : 生活習慣が改善するとともに、自律神経症状の回復が見られることが多い期間です。毎朝20分以上の散歩を開始します。
・1~2カ月 : 上記指示を行えるようになり、近隣の図書館に朝3時間、週5回通い、興味ある事を調べる、本を読む、資料を作成するなど頭のリハビリを開始します。周囲に人が多く、静粛さや集中力を求められ、事務職としての就労環境に近いこと、かつ無料または安価に利用できる図書館のご利用を推奨しています。
・2~3か月 : 週5回、3時間図書館へ通う課題を達成できた場合には、職場近隣への通勤練習や、復職に必要な手続きや時期を人事担当者と相談し始めるころあいです。出勤、就業への自信が回復した場合、復職診断書を記載します。この際、企業により独自の復職診断書・就業上の配慮に関する意見書が必要な事もあります。配慮としては、業務量の軽減、残業・出張などの禁止を、3カ月間ほど行う事が一般的です。
復職後の見通し
晴れて復職したのちには、体調確認と、再発予防のために通院継続を行います。
休職歴のある労働者が復職後2年間以内に再休職する割合は、70%以上と言われた時期もありました。
直近の厚労省研究*1では、メンタルヘルス不調の休職者のうち、5年以内に再発し再休職する割合は47.1%です。休職期間は、1回目平均の107日に対し、2回目平均は157日でした。
通常うつ病において再発率を下げるために、寛解後、初発では4-9ヶ月間、再発では2年間以上の抗うつ薬内服が推奨されています*2。
このガイドラインでは就労者に限定した維持療法の期間については言及されておらず、前述の高い再休職率を鑑み、当院では、薬物の維持療法の期間は24カ月を目安としています。
*1 厚労省 平成28年「主治医と産業医の連携に関する有効な手法の提案に関する研究」
*2 日本うつ病学会治療ガイドライン 2016
当院での精神療法については、リンク→ psychotherapy をご覧ください。