強いストレスを受けた後に不眠の症状が出るのはありふれたことです。
睡眠改善薬と銘打ったドリエルという薬が2003年に発売されてから、18年が経ちます。
この薬は、薬局で栄養ドリンクや外用薬を買うのと同じ感覚で買えるため、大変よく売れていますが、
最近この薬の副作用で困っている方から複数相談され、プロとしてはお勧めできないと回答しました。
この薬は昭和20年代から発売された大変歴史のある薬で、(参考:https://www.tpa-kitatama.jp/museum/museum_91.html)アレルギー治療薬として使われていました。
その後、口渇、眠気、脳の動きが鈍くなるなどの副作用が強いことから、徐々に使われなくなり、今では医師がアレルギー治療薬として処方することは稀です。
しかし、その「眠気」という副作用に着目され、今度は2003年に睡眠改善薬として上記の如く発売され流行しました。
内服した患者さんからは「ドリエルで寝れたが、喉が乾くし、朝起きれない。」と訴えがあり、
「子供のころ飲んだ風邪薬の眠気ですよ、副作用でぼーっとして、ずっと眠かったでしょう?」と説明しています。
この薬は翌朝への持ち越し、眠気、頭の回転が鈍る、といった副作用がほとんど必発で、常用すると集中力や認知機能が低下した状態で毎日を過ごすことになります。ミスが増え、会社で注意されるなど実害も起きます。
添付文書に書かれている通り「一時的な不眠症状」に使うもので、漫然と使ってはいけません。
飲み合わせにも多くの注意が必要ですので、お気を付けください。
ただし、眠るために毎晩アルコールを飲み続けるよりは、遥かにマシである事を申し添えておきます。
お酒の害についてはまた別に説明する予定です。